議会活動

令和4年 第3回定例会2022年09月

1 障がい者福祉について(区長)

岡田マリ質問

1−1.相談支援事業について

渋谷区の障がい者施設が充実する一方で、障がい者がサービス等利用計画を作成する事業所が見つからないという状況が続いています。
自立支援協議会でも厳しい質問や意見がありました。
区の委託を受けて運営している3施設でもサービス等利用計画の作成は進んでおらず、現状は「障がい者福祉課」の窓口で先の3カ所を含む区内18カ所の指定特定相談支援事業所の一覧が渡され、たらいまわしにされています。

区内には20の特定相談支援事業所があります。
以前はたらいまわしになっていましたが、どの相談支援事業所であれば対応が可能であるか、渋谷区障がい者福祉課で確認いただけるようになりました!

渋谷区役所、障がい者福祉課:身体障がい、 難病患者 身体福祉係 電話 3463-1937 知的障がい 知的福祉係 電話 3463-1978 精神障がい 精神福祉係 電話 3463-1905。

[PDF]渋谷区 区内指定相談支援事業所一覧

1-1-1.体制の強化について

今後重層的支援体制整備事業も予定されており、障害福祉サービスの利用者はさらに増えていく中で相談支援事業の体制の強化は必須です。そこで区長にお尋ねします。このような特定相談支援事業所の現状や課題についてどのようにお考えでしょうか?

こちらもご覧ください ー渋谷日和ー

障害福祉サービスについて勉強中
[2022-08-15]

1-1-2.民間委託について

障害者就労支援センター「ハートバレーしぶや」が渋谷区社会福祉協議会から民間事業所に委託されました。新しく民間事業者に委託したことにより、「ハートバレーしぶや」が事業への取組み、体制、利用者へのサポートやサービスがどう変化したかお聞かせください。
その上で相談支援事業についても渋谷区社会福祉協議会に全てを任せきりにするのではなく、ノウハウや様々な事例をもっている特定相談支援事業所にも積極的に委託の門戸を広げ、持続可能な相談支援体制を強化するのはいかがでしょうか?

令和6年5月から始まる24時間365日利用可能の相談事業については民間委託となりました!

1−1−3.新たなサービス機能について

計画相談だけでなく、土日や夜間の一般相談対応、アウトリーチなど新たなサービス機能も検討してはいかがでしょうか?

令和6年5月から新たに土日や夜間も対応の相談事業、アウトリーチ事業が始まります!!

1−2.障害児通所支援事業所の運営について

児童発達支援事業所や放課後等デイサービスを利用する子どもたちが増えているものの、様々な要素で区内のエリアごとに施設の配置にばらつきがあります。
施設の開設には初期投資に7百万円から1千5百万円ほどかかります。東京都の所管との事前協議から認可され、給付費が支払われるまで3、4カ月間は空家賃(からやちん)を支払わねばならず、これに人件費や施設の改修費が加わると大きな負担になります。本来であれば、「はぁとぴあきっず」や「代々木の杜ぴあキッズ」のように区有施設内での開設や各事業所に家賃補助ができれば一番ですが、高額な初期投資が必要となる地域では開設まで家賃助成をしてはいかがでしょうか?区長に伺います。

1−3.行動障害のある人たちへのサポートについて

行動障害は"ヘルプを求める強いメッセージ" でもあり、そのヘルプに配慮された環境であれば仕事や作業をこなす人たちも大勢います。
しかし特別支援学校を卒業し、障害福祉サービス事業所に通い地域で生活をするようになると、十分な環境が確保さないため、周囲とのトラブルに発展し、施設を退所となり、行き場所が無くなる方もおられます。
東京都の計画によれば、知的障がい特別支援学校の在籍者は年々増加し、今後もこの傾向は続く見込みで、自閉症を併せ有する児童・生徒も多いとのこと。このため、行動障害のある人たちの居場所確保にしっかりと取組む必要があります。すでに困っている人もいるので早急な対応として、例えば水道道路沿いの都営住宅の1階空き店舗などの利用はいかがでしょうか?居心地良く改修し、心理的安全性を確保することにより才能を発揮し活躍できる人も出てくることと思います。

 

1−1−1.特定相談支援事業所の現状や課題について

特定相談支援事業所の現状や課題についてですが議員のご指摘の通り「はぁとぴあ相談ステーション」と「さわやかルーム」では、特定相談支援事業所として、サービス等利用計画を作成しますが、契約している利用者数が多く、新規の利用契約が少ない現状があります。また、相当職員が少ないことも、課題の一つであると考えています。
現在、これらの現況を含め、社会福祉協議会と改善に向けた協議を進めています。 一方、民間事業所においては、少人数で運営している事業所も多く、新規の利用者と契約することが難しいという状況もあり、利用者が、複数の事業所に連絡しなければ契約できず、負担となるケースがあることも認識しています。
今後、民間事業者の受付可能状況の把握や情報の提供について、利用者の負担軽減につながる手法を検討していきます。

1−1−2.相談支援事業の民間委託と持続可能な相談支援体制の強化について

次に、「ハートバレーしぶや」については、昨年度から民間の法人に委託しています。 人員体制については、精神保健福祉士や看護師など、多様な資格を持った職員が多くなりました。
また、一般就労だけでなく、超短時間雇用など、ここの障がい特性やニーズに合った多様な働き方の実現に注力するとともに。就労支援ネットワーク会議を立ち上げ、情報や課題の共有を行っています。
議員ご提言の持続可能な相談支援体制の強化については、ハートバレーしぶやにおける委託かによる効果も踏まえつつ、今後検討してまいります。

1−1−3.新たなサービス機能について

土日や夜間の一般相談対応、アウトリーチなど、新たなサービス機能については、選考自治体における事業や、実施に向けてた課題等を踏まえ、検討してまいります。

1−2.障害児通所支援事業所の運営について

現在、区内における児童発達支援事業所及び放課後等デイサービス事業所は、区立施設を含め、合わせて21事業所となっています。利用者は、活動内容や運営内容など確認し、ニーズに合った事業所と契約し、利用しています。
議員ご指摘の地域によるばらつきについては、いくつかの理由があると考えられますが、事業所開所にあたり、物件を借りて運営する場合は、開設準備機関における家賃の負担が大きいというご意見も伺っています。
一方で、現在も複数の企業から事業所の新規開設に向けて相談が来ており、開設が困難とまでは言えない状況です。
今後の課題として、開設準備期間における初期投資の影響などを調べるとともに、事業所の少ない地域での、利用者及び家族のニーズや新規事業所の開設状況なども踏まえ、必要な支援策を検討してまいります。

1−3.行動障害のある人たちへのサポートについて

行動障害については、自傷行為や多動など、周囲の人に影響を及ぼすことが多いことなどが、その特性として挙げられると言われています
区内各施設においても、そのような行動が見受けられる方がいた場合、屋外での活動を多くすることや、机の上のパーテーションで区切るなど、工夫しながら適切に支援されています。
一方で、施設の限られた環境の中では、個別の環境を整え、支援していくことの難しさがあるとも聞いています。
そのような中、本区では行動障害に関する研修の回数を増やして施設職員の支援力向上に努めています。
議員ご提言の居場所の確保についてですが、利用者の障害特性に応じた支援に繋げていくためにも、個別の環境を整え、活動できる場所が必要となってきている、などのご意見も頂いています。
まずは、区内における各施設の状況や水に必要な環境について、現状把握を行うとともに、都営住宅など、公有財産の活用にあたっては、財産管理者をはじめ、関係者と十分な協議・連携を図りつつ検討してまいります。

区長答弁

2 教育について(教育長)

岡田マリ質問

登校渋りや不登校の児童・生徒は依然多く、学校1、2年生の保護者から不登校の相談も増えています。低学年のため、けやき教室にも通えず、学校や教育センターに相談しても、具体的な支援にはつながらず、仕事を辞めざるを得なかった保護者もいます。
不登校の子どもは、学校や勉強が嫌いというわけではなく、自宅でオンラインを活用して積極的に勉強する子どももいます。また人一倍、音や光などに繊細であるため、教室でみんなと一緒にいることができない子どももいます。
文部科学省の令和元年の通知で、不登校児童生徒がフリースクールのような学校外の施設において指導を受けたり、オンラインを活用した在宅学習で、要件を満たす場合は出席扱いとできることとなりました。

2−1.ICTを活かした在宅学習について

ICTを活かした在宅学習については、第2回定例会で神薗麻智子議員の代表質問の答弁で、オンラインでの不登校支援の複線化について提言として受け止めるとありましたが、その後の進捗について伺います。

2−2.フリースクールなどの情報提供について

令和3年度決算参考資料によるとけやき教室の利用は令和3年度実績で28名通室です。そこで今後はけやき教室だけでなく、フリースクールなどの情報提供をしてはいかがでしょうか?

2−3.仮想空間の学校について

選択肢の一つとして「仮想空間の学校」を活用についても将来的には活用いただきたく、まずはスタートアップ実証実験事業と連携するなど検討してはいかがでしょうか?

令和5年11月から仮想空間教室、バーチャル・ラーニング・プラットフォーム(VLP)「けやき」が始まりました!

2−4.不登校相談ダイヤルについて

「しぶや区ニュース9月1日号」や区のホームページによると「不登校相談ダイヤル」が設置されました。こちらについては専用の電話番号での対応をしてはいかがでしょうか?そしてこれを機に、不登校支援の体制の強化について提案します。この「不登校相談ダイヤル」は電話で悩みを聞いておしまい、ではなく、相談員は学校やスクールソーシャルワーカーと連携し、また先に述べたフリースクール含めた関係機関の情報提供などその子にとって必要な支援が受けられるよう、継続的な寄り添った支援体制を構築していただきたいと考えます。教育長の所見を伺います。

不登校相談ダイヤルの専用の電話番号については早速対応されました!

2−5.フォロースタッフについて

現在教育センターで行っている不登校の子どもたちに向き合うフォロースタッフ派遣についてです。不登校の子どもの中にはほとんど外出できなくなる子もいると聞きます。そんな時、理解者でもあるフォオロースタッフとのかかわりを持つことは、社会性の発達を促すことにもつながり重要です。そこで区内の不登校支援のNPOなどの団体やS-SAP協定を締結している大学で教育研究をしている大学生などを活用し、一人でも多くの不登校児童生徒のところに積極的に派遣してはいかがでしょうか?

東大先端研との連携について、不登校児童・生徒たちのプログラムも実施しています。

2−6.東大先端研との連携について


[HP]渋谷区ラーニング・リソースセンター

東京大学先端科学技術研究センターいわゆる「先端研」のリソースセンターは様々な児童・生徒が通える場所ですが、不登校の子どもたちにも積極的に活用してほしいと思います。そこでリソースセンターとどのような連携を図っているか、また今後の展開についてもお答えください。

 
 

2-1.ICTを活かした在宅学習について

初めに、ICT を活かした在宅学習につきましては 、登校できない児童・生徒に授業のオンライン配信を行い、自宅で学習できるようにする取組みを継続しているところです。
また相談指導教室「けやき教室」におきましても、在籍学級の授業にオンラインで参加しています。その際は当該児童・生徒の心情を十分に配慮し、参加の仕方について事前に在籍校と確認しながら実施しています。
今後は、更にけやき教室でのオンライン学習を増やしていきます。在籍していても出席が少ない通室生とけやき教室の相談員がオンライン面談を実施するなど、児童・生徒用タブレット端末を活用した支援を工夫してまいります。

2-2.フリースクールなどの情報提供について

教育センターでは、個々の状況に応じて、学校との橋渡しをしたり、けやき教室の利用を進めたりしていますが、学校にもけやき教室にも通うことが難しい場合には、フォロースタッフが家庭に出向き、フレンズ本町などの青少年施設に一緒に行くこともあります。
文部科学省の「不登校に関する調査研究協力者会議報告書」においても、今後実施すべき政策の方向性として、「学校内の居場所づくり」や「ICT等を活用した学習支援」とともに、「フリースクール等民間団体との連携」を取り上げています。
議員のご提案を踏まえて、民間団体との連携も視野に入れた情報提供の仕方を検討してまいります。

2−3.仮想空間の学校について

「仮想空間の学校」については、インターネット上の仮想空間であるメタバースに2次元の学校をつくり、不登校の児童・生徒が設定した自分のアイコンを操作して、オンライン授業を受ける実証実験を行っている事例や 、NPO 法人と連携して同様の取り組みを開始した事例がメディアで取り上げられています。
教育委員会としましても、こうした事例を研究するとともに、区のスタートアップ実証実験授業とも情報連携して、様々な選択肢を提供できるよう努めてまいります。

2−4.不登校相談ダイヤルについて

不登校相談ダイヤルは、夏休み明けに登校への不安を抱く児童・生徒が多いことから、少しでも早い周知を優先しました。
専用の電話番号は、区立小中学校の後期が始まる10月初旬を目途に、回線増設が整い次第、改めて周知してまいります。
不登校相談ダイヤルでの電話相談には、スクールソーシャルワーカーと心理相談員が対応し、いただいた電話から継続的な支援につながるよう、スクールソーシャルワーカーが、相談者に寄り添い伴走していく支援を大切にしてまいります。

2−5.フォロースタッフについて

フォロースタッフにつきましては、「学校やけやき教室にも通えない」、「家から出られない」等の状況にある児童・生徒の人間関係を広げ、不安感や抵抗感を軽減させるなど、社会的自立に向けての支援として有効な取り組みの一つであると考えています。
現在、フォロースタッフに登録しているメンバーは、フレンズ本町の職員など6名です。
9月からは、区内 NPO 法人のひきこもり支援の相談に携わっていた方1名と、 S-SAP 協定を結んでいる大学で教職を目指してる学生1名が、登録メンバーに加わります。
今後とも、フォロースタッフ派遣事業の充実に努めてまいります。

2−6.東大先端研との連携について

本事業は、児童・生徒に個に応じた多様な教育機会を提供することを目指し、「渋谷区ラーニングリソースセンター」が窓口となって、最先端の知見に基づく教育プログラムを提供しています。
児童・生徒・保護者に向けたプログラムには、活動を通して知識やスキルを取得するアクティブ・ベース・ラーニング・プログラムや、読み書きをテクノロジーで補う ICT プログラム、世界で活躍する人物の話を聞くトップランナートークや親子セミナーなどがあります。
本年度は「スペシャルニーズがある子どもたちを支えるための個別最適な学びに関するサポートプロジェクト」をテーマとして展開しています。 この夏休み中には、先端研のある東京大学の敷地内で、夜間から朝まで昆虫採集をする「夜の昆虫採集とパジャマナイト」を開催しました。 約30名の小中学生が昆虫の研究者と活動するとともに、保護者と先端科学技術センターの中邑賢龍(なかむら けんりゅう)教授との相談会も同時に実施しました。 今回は、小中学生も保護者も大きく定員を上回る応募があり、参加の希望が叶わなかった人が多く出てしまいました。
そこで、保護者相談会については、今月末に第2弾を実施することになりました。「子育てラボ」と題して、不登校等の悩みを抱える保護者と、中邑教授を始めとする先端科学技術研究センターのスタッフの方々と語り合う計画です。 また、秋にはけやき教室の子どもたちを対象としたアクティビティもいくつか計画しています。 今後も連携をさらに深め、子どもたちそれぞれにあった学びの方法や環境を、「渋谷区ラーニングリソースセンター」を中心として研究して実践してまいります。

区長・教育長答弁